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ゴロフキン戦後の村田諒太について、米記者たちの見解は2分。「最善の引き際」「現役続行ならすぐにタイトル戦」 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 ネームバリューのある選手との対戦にこだわらず、再び世界王者を目指すとしても、今のミドル級ならチャンスはあるかもしれない。「村田にはすぐにまたタイトル挑戦の機会が回ってくる」と話す『FightHype.com』のショーン・ジッテル記者は、そう考える理由をこう説明する。

「カネロはすでにスーパーミドル級から上の階級に戦場を移し、ゴロフキン、WBO王者デメトリアス・アンドレイド(アメリカ)も次戦はスーパーミドル級で予定している。ライバルがいなくなり、WBC王者ジャモール・チャーロ(アメリカ)はすぐに昇級を考えるだろう。そうなると、複数の王座が空位になり、王座決定戦が行なわれる可能性がある。ゴロフキンに善戦した村田もそれほどランキングは落ちないだろうし、母国での人気、知名度もあってタイトル戦出場の候補になるのではないか」

 ゴロフキン、アンドレイドは確かに次戦を168ポンドのスーパーミドル級で予定しているが、ミドル級の王座返上を決めたわけではない。それでも昨今のミドル級が過渡期を迎えているのは紛れもない事実。加齢ゆえにミドル級の体作りが難しくなっているだろうゴロフキンも、9月開催と報じられているカネロ戦後、スーパーミドル級への本格的な昇級を決めるか、あるいは引退しても不思議はない。

 そうなった場合、WBA正規王者のエリスランディ・ララ(キューバ)、ムンギアに加え、5月にWBO暫定王座戦に出場するジャニベク・アリムハヌリ(カザフスタン)、あるいはクリス・ユーバンク・ジュニア(イギリス)、カルロス・アダメス(ドミニカ共和国)、村田のアマチュア時代のライバルだったエスキバ・ファルカン(ブラジル)あたりが主軸となるが、層が厚いとはとても言えない。ジッテル記者の見立てどおり、村田が現役を続ければミドル級のメインキャストのひとりであり続けるだろう。

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