米プロレス団体AEWの前王者・志田光が感じる日本とアメリカの違い。女優としての夢も語った
■『今こそ女子プロレス!』vol.3
志田光 後編
(前編:プロレスデビューのきっかけは映画出演のためだった>>)
2008年、映画『スリーカウント』をきっかけにプロレスデビューした志田光。子供の頃からずっとエースのような立ち位置で、やればなんでも器用にできていた。しかしプロレスはひと筋縄ではいかない。「プロレスだけが全然向いてないんだな......」と、もがき苦しんだ。
インタビューに答える志田この記事に関連する写真を見る 2012年1月、さくらえみが退団したことをきっかけに、藤本つかさとともにアイスリボンを引っ張っていかねばならなくなった。その時、志田は「チャンスだ」と思った。そしてプロレスを心底、楽しいと思えるようになったという。
「それまでは、スポーツとして楽しかったというか。勝ったら嬉しいとか、学生時代にやっていた剣道が単純に楽しいみたいな感覚だったのが、クリエイティブなことと混ざることで、『プロレスだから楽しい』ということに気づけた。そこで初めて、プロレスが自分のものになったんじゃないかと思います」
観客の反応に意識が向き始めたのもこの頃だ。この技を出したらどうなるんだろう? この流れにしたらどうだろうか? マイクでこんなことを言ったら、お客さんはどんな反応をするだろう?――すると、観客の反応も変わってきた。プロレスは観客あってのスポーツ。あらためてそう気づかされたという。
2014年1月、アイスリボン退団を発表。3月からフリーとなる。退団の理由として「自分のためだけにプロレスをやりたい」と話している。
「アイスリボンではコーチもして、次の世代の子たちを育てていたけど、OZアカデミーさんなどに参戦すると、私が一番下で、一番なにもできなかった。アイスリボンと他の団体の差を感じて、『まだ私が私のためにできることってあるよな』と思ったんです。団体内での限界を感じたのはありますね。社長に正直に話したら、『俺もお前くらいの歳でまったく同じことを考えて会社をやめたから、応援するよ』と言ってくださいました」
1 / 5