「他に言うことないの?」。初勝利で大興奮の三浦孝太に父・知良がかけたまさかの言葉
三浦孝太インタビュー 後編
(中編:RIZIN出場を発表→猛烈なバッシング>>)
2021年大晦日の「RIZIN.33」での格闘技デビュー戦で、三浦孝太は同じく1試合目のYUSHIを相手に1ラウンドTKO勝利を飾った。ギロチンチョーク、三角締め、腕ひしぎ十字固めなどで追い込み、最後は立ち上がろうとする相手にサッカーボールキックが炸裂。互いのよさが出た好勝負は格闘技ファンにも高く評価され、戦前の批判は一気に吹き飛んだ。
試合後は両親の三浦知良・りさ子に抱きつきにいったが、どんな言葉をかけられたのか。試合前の心境や、今後の目標などと併せて聞いた。(取材日:2022年1月14日)
勝利後、両親に駆け寄る三浦孝太(右)。父・知良は「まさか」の言葉をかけた Photo by Tokyo Sports/AFLO***
――昨年の大晦日の試合では、入場シーンが話題になりましたね。映画『男はつらいよ』のテーマ曲をリミックスした入場曲を使うことになった理由を教えてください。
「デビュー戦で、リングに上がる時にどういう精神状態になるかがわからなかったので、『普段からなじみのある曲を流して落ち着きたい』と思ったんです。いろいろ考えた結果、お父さんの影響で好きになった"寅さん"しかないと。
ただ、通常バージョンの曲だと落ち着きすぎて、戦う気分になれないかもしれないとも思って(笑)。そんな時に『男はつらいよ』のラップバージョンと出会ったんです。あの有名なイントロから始まり、途中で寅さんが歌ったりしゃべったりする声も聞こえるので即決しました。そして、寅さんが身につけていた柴又帝釈天のお守りを首にかけて入場しました」
――格闘家として初の試合を迎える直前の気持ちはいかがでしたか?
「試合前はまったく緊張しなくて、高校の体育祭や文化祭に出る時のように楽しみでした。入場直前が一番リラックスしていて、対戦相手の入場が始まったギリギリまでLINEをしたり。逆に緊張しないことが少し怖くなって、『やばいかな』と思いながら待機してました」
――ちなみに、試合前のLINEはどんな人に送ったんですか?
「いろんな人にしましたよ。最後は家族に『行ってくるね』と送り、スマホをセコンドの方に渡しました。両親には事前に『年明けをどう過ごすかは、ちょっと考えないでほしい』と伝えてはいました。試合で何が起こるか本当にわからなかったので、『俺が病院で過ごすのも頭に入れといて』と。
そんななかで入場ゲートが開いたんですが、さらにテンションが上がりました。花道を歩いているうちにアドレナリンがどんどん出てきているのも感じて。夢のような時間でしたね」
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