山本美憂が振り返る「KIDvs魔裟斗」とその裏側。試合後の弟の涙に悔しさがこみ上げた (4ページ目)

  • 瀬川泰祐●取材・文・撮影 text by Segawa Taisuke

――美憂さんがKIDさんを参考にしたり、マネしている部分はありますか?

山本 特にプロ意識の高さは見習うべきところがあり、ノリはオファーがきたらどんな相手だろうと受けていました。だからわたしも、試合のオファーが来たら相手を選ぶことなく、全部受けると決めています。

――強い相手を求めるのは山本ファミリーのDNAなんですね。KIDさんが今も美憂さんの心の中で生き続けていることを感じます。

山本 自分より上の階級の人と戦うことで、お客さんを魅了できるということをノリはわかっていたんでしょう。いまもノリは私の憧れです。

(後編:KIDが亡くなった日も練習>>)

◆山本美憂(やまもと・みゆう)
1974年8月4日生まれ、神奈川県出身。弟の徳郁、妹の聖子とともに、ミュンヘン五輪レスリング日本代表だった父・郁榮に英才教育を受ける。13歳の時に第1回全日本女子選手権で優勝したのを皮切りに、全日本を4連覇。1991年に初出場した世界選手権を史上最年少の17歳で優勝するなど、女子レスリングのパイオニア的存在に。引退後、数年の時を経て2016年9月にMMAデビューし、2020年12月にはRIZINで王座決定戦に挑戦するなど進化を続けている。今年3月には、KIDの誕生日に合わせて、息子の山本アーセンとアパレルの新ブランド「GK's」を立ち上げた。

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