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元プロレスラー中西学の人生相談。「自粛疲れには卵料理研究と黒烏龍茶や!」 (3ページ目)

  • 井木 康文 ●取材・文 text by Iki Yasufumi
  • photo by 新日本プロレスリング

相談()たまには背伸びしたお洒落なお店に食事に行きたいんですが、尻込みしてしまいます...

 たしかに高そうなお店で「ここ常連やで」って言いたい気持ちはようわかるわ()

 僕も若い時は、良いところを見せようと高級レストランに彼女を連れて行こうとしたら断られて...。それで、彼女に実はそのお店の方から半額券をもらっていて、それで行こうと思ったんやって打ち明けたら「半額だったらいいわ」ってOKしてくれて()でも結局「恥ずかしいかなと思って隠してて悪かったなー」って素直に打ち明けたわ。

 不器用キャラであることはみんな知ってるから"実は器用"みたいに見せたかったけど、うまくいかんもんやな。でも器用な人は不器用な人に憧れるという話も聞いたことがあるし、ないものねだりやな()

相談()仕事やプライベートで挫けそうな時、乗り越え方を教えてください。

 首の怪我をした時、周囲も先生も「寝たきりになる。良くても車椅子」って言うてて。でも僕は根拠のない自信ちゅうか「大丈夫、大丈夫、絶対にまたリングに復帰するから」って思ってて。先生からは「頭も打ったからかなあ」と心配されるくらい無謀な考えだったらしいけどな()

 今思うとあの時に大怪我をしたことで目標ができて前に進めたってのはあるなあ。別の人の話になるんやけど、一緒にバルセロナ五輪に出場した古賀(稔彦)選手は、体調が良かったソウル五輪ではメダルが取れなくて、次のバルセロナ五輪本番直前に怪我をしてしもうて。でもその怪我があったから邪念が消えて目標に集中できて、結果的に(バルセロナ五輪で)金メダルを獲れたんちゃうかなって僕は思ってるんです。

 文字通り「怪我の功名」ちゅうわけではないけど、挫折したおかげで次に進めるって思えばええと思うで!

中西 (なかにし まなぶ)
1967年1月22日生まれ。京都市出身。レスリングで92年バルセロナ五輪出場。同年の8月に新日本プロレスに入門し、10月にデビュー。99年にG1 CLIMAX優勝、2009年にIWGPヘビー級王座を奪取するなどパワフルなファイトスタイルで活躍。東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」では敢闘賞(99年)と最優秀タッグ賞(10年)を受賞した。2020年2月22日後楽園大会で引退。現役時は186センチ、120キロ。

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