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上野勇希は新時代のイケメンプロレスラー。サウナで試合のイメージも整える (2ページ目)

  • 井木 康文 ●取材・文 text by Iki Yasufumi
  • photo by DDT プロレスリング

ーーDDTといえば試験に一芸の科目があるそうですが、何を披露したのでしょうか。

 一芸が自分にとっては一番難関でした(苦笑)。体力テストには自信があったので絶対にトップを取ろうと燃えていましたが、一芸と言っても面白いことをやれるか不安があったからです。結果的に自分の一番の武器であるマット運動を披露し、身体能力をアピールすることで、無事に通過することができました。

 ちなみに、「笑わせる」という意味での面白さを一芸にする場合は、何枚も自分の皮を脱ぐ必要があるので、相当な覚悟が必要です(笑)。

器械体操で鍛えた跳躍力は上野(中央)の強い武器器械体操で鍛えた跳躍力は上野(中央)の強い武器

ーー憧れのプロレスラーになって衝撃を受けたことはありましたか?

 初めてセコンドに入ったのが両国のビッグマッチだったのですが、"歓声が降り注ぐ"という感覚をリングサイドで味わったことです。セコンドだったので、自分への歓声ではないのですが、それでもファンの感情や緊張感がビシビシと伝わってくることに衝撃を受けました。

 そしてデビュー戦で自分がリングに立ち、その歓声を受け止めたときのアドレナリンの量はものすごく、痛い攻撃も痛くないほどでした。むしろ攻撃を受けることで、さらにアドレナリンが出るので気持ち良いみたいな(笑)。「痛いはずなのに痛くない!でも体は動かない!」という体験は衝撃でした。

ーーデビューしてからプロレス研究もさらに熱心になったと思いますが、影響を受けて参考にしているプロレスラーはいますか?

 大阪プロレスのHUB選手です。地元が大阪で、竹下の勧めもあって大阪プロレスを観戦したのですが、そこでシンプルに「かっこいい」と憧れを持ったのがHUB選手です。言葉にするのが難しいのですが、とにかくプロレスラーとしてHUB選手のすべてがかっこいいんです。

 そして、HUB選手がスーパードルフィン時代に使用していた"WR"という技を自分も使いたいと思い、ご本人に継承のお願いをしたところ快諾して頂き、直伝をして頂きました。他人の技を使いたいと思うことはないのですが、この技は特別です。完璧なクオリティで完璧なタイミングでこれからも使い続けたい大切な技です。

ーー必殺技"WR"にはそんなドラマがあったのですね!プロレスラー以外で参考にしている方はいますか?

 ボディビルダーの鈴木雅さんです。日本ボディビル選手権を9連覇した方です。今は後進育成に注力し、オンラインサロンをやられているのですが、僕も入会して勉強しています。

 筋トレの方法だけでなく、身体コントロールについての考え方なども学べてトレーニングだけでなく試合でも役立っています。メンタル面で学ぶことも多いです。また、これはあくまで持論ですが、筋肉がデカイ人は話が面白いので、非常に楽しく学べます!僕も筋肉をデカくして、話を面白くしたいです(笑)。

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