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コロナはプロボクサーへの影響も大。
それでもブレないひとつの想い (6ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 永田は、引き分けに終わったプロデビュー戦を今でも後悔している。それは勝てなかったからではない。

「当たり前ですけど、ドローって勝ちでも負けでもない。言い換えれば、生き残ったわけでも、死んだわけでもない。お客さんは、きっとプロボクサーの生き様、死に様を見に来てくださっている。だから、ドローじゃダメなんです」

 戦績の最初に記された△が永田を強くした。

 その後に記されたふたつの●もまた、大きな糧となっている。

「1度目の敗戦はデビュー戦後に8連勝して迎えたデスティノ・ジャパン(ピューマ渡久地)戦。応援してくださった方には申し訳ありませんが、あそこで負けてよかった。負けから学んだことがたくさんある。もしも、無敗だったころの自分に話しかけられるなら、『おまえは人として未熟。このままサクサク無敗で勝ち続けても、どのみち、どこかでコロッと負けるよ』って伝えたいです」

 永田の2度目の敗戦は2018年10月、OPBF東洋太平洋スーパーライト級王者・内藤律樹(E&Jカシアス)とOPBFスーパーライト級タイトルマッチ。1対2の判定負けを喫している。

「たとえ微々たるものだったとしても、その差は大きい。負けは負け。負けた以上、『負けました』と言わなければいけない。たられば、かもしれないは考えない。敗戦が、また僕を強くしてくれたと思っています」

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