2020.03.22

どうなる、井上尚弥の次戦の行方。
早くて夏前の実施、日本開催の声も

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

 やむを得ない決断だったとしか言いようがない。

 アメリカ時間3月16日、米ボクシングプロモーション会社のトップランク社が、4月25日にラスベガスのマンダレイベイ・イベントセンターで予定していたWBA、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋ジム)対WBO王者のジョンリエル・カシメロ(フィリピン)の試合延期を発表。新型コロナウイルスの猛威にさらされ、ボクシングファン垂涎の統一戦は先送りになってしまった。

延期された統一戦の行方が注目される井上尚弥「次のステップを踏み出す上で、最も大事なのは選手、スタッフ、ESPNの制作チームの健康です。ファンにワールドクラスのボクシングを再び提供できる日を楽しみにしていますが、現状では慎重になることが適切です」

 大ベテランプロモーター、ボブ・アラムの言葉からは無念さが滲んでいた。3月14日と17日に、トップランク社がニューヨークで開催を予定していた興行も延期になっているが、16日の会見時に関係者に話を聞いた際には、「なんとか井上vsカシメロ戦は守りたい」という思いが伝わってきていた。

 トップランク社の井上に対する期待は、おそらく日本で考えられている以上に大きい。3月13日に『ESPN.com』が掲載した商品価値ランキングでも、井上はサウル・アルバレス(メキシコ)、マニー・パッキャオ(フィリピン)、タイソン・フューリー(イギリス)という”ビッグ3”が選出された最高クラス「ティア1」に次ぐ、2番手グループ「ティア2」にランクインした。