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コロナはプロボクサーへの影響も大。
それでもブレないひとつの想い (2ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 この時点で、永田の試合も延期される可能性が高い状況。それでも、永田は言った。

「もちろん自分自身が感染しないよう細心の注意を払いながら、試合があることを前提にトレーニングは続けます。やるべきことをやったうえで、変えられない出来事に関してはそれ以上考えない。僕ができるのは、5月28日にベストな状態に持ってくために今やるべきことをやるだけ。それがプロだと思うんです。僕、プロボクサーですから」

 無観客試合の可能性や何よりボクシングという競技の性質上、トレーニングを完全に中断してしまう判断を下すのは難しかった。ボクサーは試合に向け2、3カ月前から本格的なトレーニングを開始し、同時に減量を行なう。永田の場合、試合1カ月半前から10キロ弱を落とす。トレーニングの強度は上げながら、疲労を残さないよう、普段から10%以下の体脂肪率を6、7%でキープし、追い込みのトレーニングを行ない、最後に規定体重まで落とすのだ。

 1カ月半後に試合の予定がある以上、安全を最優先にしつつ、できる範囲内のトレーニングを永田は続けてきた。

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