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藤田和之が元大関・バルトと真っ向勝負
「体ひとつでぶつかるだけ」 (4ページ目)

  • 松下ミワ●文 text by Matsushita Miwa
  • 保高幸子●撮影 photo by Hotaka Sachiko


──それで、コンディションは変わりました?

「やっぱり違いますね。お酒なんか大好きでどんどん飲んでいたけど、最近はちゃんと割るようにしているし(笑)。ただ、石井選手との試合の後は『もうMMAはないだろう』と思っていたんですけど」

──現在45歳の藤田選手が、「もうMMAはない」という考えもあった中で、またコンディションを整えようと思えることがすごいですよ。

「やっぱり、後悔なく生きたいですから。悔いのないようにひとつひとつやれば次の新しいものが見えてきますし、次のキャリアを積むときに新鮮な気持ちで臨めるじゃないですか。今年はプロになってちょうど20年なんですけど、そろそろ自分の中ではひと区切りつけて、次に行こうかなという気持ちもありますし」

──ひと区切り、と言いますと?

「いや、引退とかではないですよ。でも、キャリア20年で今回の無差別級トーナメントのお話をいただいたのも何かの縁ですし、自分の中ではひと区切りつけるのにいい舞台だと判断しています。だから悔いのないようにやって、今度は何を目標にするのか、それを見つけるのも楽しみですね」

──40代の選手の中には、「家族のため」「子供に闘う姿を見せたい」というのをモチベーションにされる方もいますが、藤田選手にはそういう思いは?

「それはないですね。僕の子供は、3人年子で小学生なんですけど、自分が何をやっている人かを言ったことはないですし。子供に訊かれたこともあるけど、『お父さんはお料理して、お掃除して、お洗濯して、魚釣ったり、カニ捕ってきたりする人だよ』って。うち田舎なのでね。学校で友だちに教えてもらってバレちゃいましたけど、『お父さん、違うじゃない!』と言われても、『それは違う人だよ』みたいな(笑)」

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