2016.04.28

長与千種が新団体マーベラスを旗揚げ。愛弟子・彩羽匠に託す思い

  • 尾崎ムギ子●文・写真 text&photo by Ozaki Mugiko

 近年ブームの”プロレス女子”。「イケメンレスラーにキャーキャーと黄色い声援を送るミーハーな女性たち」とメディアは報じる。しかし実のところ、彼女たちのプロレス・リテラシーは非常に高い。冷静に試合を分析し、会場の空気を読む、いわば優等生だ。

 かつて、そんな今のプロレス女子とは毛色の異なる”プロレス女子”たちがいた。クラッシュ・ギャルズのファンだ。1983年、長与千種とライオネス飛鳥によって結成されたクラッシュ・ギャルズは、女子中高生に絶大な人気を誇り、社会現象にまで発展した。揃いのハッピを着た親衛隊が、メガホンとポンポンを持ち、長与と飛鳥の一挙手一投足に歓声と悲鳴を上げた。そんな彼女たちに、今の私たちは憧憬の念を抱く。会場の空気なんてどうだっていい。そこまで盲目的に、だれかに心酔してみたい、と。

新団体を旗揚げした長与千種(写真左)と愛弟子・彩羽匠
 
 長与千種が新団体・マーベラスを旗揚げすると聞いたとき、脳裏によぎった。もしかしたら、クラッシュ・ギャルズ全盛期のような熱狂を、私たちも味わうことができるのでは……? 期待を胸に、5月3日の旗揚げ戦直前、長与の元を訪れた。隣には、マーベラスの若手・彩羽匠(いろは・たくみ/23歳)。頬が紅潮し、この場にいられることが嬉しくて仕方がない、という眩い笑顔を見せる。

 彼女に同席してほしい、と頼んだのは私だ。昨年12月、旧姓・広田さくら「産休興行」で初めて彩羽匠を見たとき、「……クラッシュだ!」と鳥肌が立った。ずっとずっと、生で見たかったクラッシュ・ギャルズ。直後、彩羽がマーベラスの所属だと知り、胸の鼓動を抑えきれなかった。――私もあの時代の、あの熱狂を味わえるかもしれない。