長与千種が新団体マーベラスを旗揚げ。愛弟子・彩羽匠に託す思い (6ページ目)
長与のカラーは“赤”。里村も彩羽も、赤いコスチュームを身にまとう。同じ“深紅”でも、里村は「神紅」。彩羽に望むものは、「信紅」だ。万民に信頼されるレスラーになってほしいという願いが込められている。
彩羽は里村について、「相手にされていない」と後ろ向きな言葉を発した。そして、「……でも、いろんな思いがあります」と打ち明ける。
「女子プロレスを、たかが3年ですがやってきて、ずっと『これじゃない』と思っていました。自分が試合をしていても、人の試合を見ていても……。今度の旗揚げ戦で、自分が思い描くものを少しでも出したいです。女子プロレスを、変えたいんです」
ふたりを育てた長与には、試合がどういう展開になるか、想像がつくという。しかしもし、その想像を超える何かが起きたら。
「泣くと思います」
長与千種のその言葉を聞いた私は、もう、クラッシュ・ギャルズ全盛期の熱狂を味わいたいとは思わなくなっていた。今この時代のプロレスを見ることができる。それが、とても誇らしい。
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