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【男子バレー】山本智大は厳しく評価されるリベロのポジションで美学を貫く 小川智大との切磋琢磨は継続 (2ページ目)

  • 田中夕子●取材・文 text by Tanaka Yuko

【ルール変更はジャンプサーブの返球に長けた山本に朗報】

 ジャンプフローターサーブのように、打たれてから少し間があるサーブをレシーブする際は、隣の選手が守るコースまで範囲を広げたり、ポジションをスイッチすることもできたが、瞬きする間にボールが飛んでくるジャンプサーブではそれも不可能だ。今回のルール変更はディグを得意とし、フローターよりもジャンプサーブの返球に長けた山本にとって、朗報と言うべきものだった。

「ルールが変わってからは、僕が少しでも多く真ん中(のポジション)で取れるケースをつくりたい、と監督に話しました。そのほうが、甲斐(優斗)や(ミゲル・)ロペスに取らせるよりも返球率は高くなる。それに今年はより攻撃力が高いので、僕が1本目を取ればその分ふたりは攻撃に専念できる。チームがよりよく回るように、もっと自分ができることを発揮できると思うし、まだまだ磨いていけると思っています」

 加えて、チームのセッターがアントワーヌ・ブリザールになり、ネット際の高さもある。それも山本には大きなプラスだという。

「今までの感覚だと(ネットを)超えたと思うボールも、余裕でさばいてくれる。むしろちょっと突き気味で返すと、『低い』と言われるので、サーブレシーブにかかるストレスが相当減りました。僕は今まで小柄なセッターとしかやってきていないので、どちらかというと高さよりも突き気味に返すことを優先していた。でも彼(ブリザール)には『高く山をつくって落としてくれ』と言われるので、パスをする側からすると本当にありがたい。しかもそこでセッターの攻撃もあるし、自チームのサーブからのトランジションも、ブロックが高いから抜けてくるコースが明確なのでめちゃくちゃ拾いやすい。やっていて、かなり楽しいですね」

 昨シーズンはパリ五輪を終えてから間もなく、SVリーグが開幕した。レギュラーラウンドは44試合と、一気に試合数が増えただけでなく、在籍する外国籍選手のレベルも一段、二段と引きあがり、リーグ自体のレベルも格段に上がった。

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