【SVリーグ開幕】ミドルブロッカーも経験したWD名古屋の山崎彰都 雪辱を期す今季はチームを牽引する立場に (3ページ目)
【ブランクを感じさせないプレーでチームを救った】
心構えはしていたものの、練習機会は多くなかったという。
「そう言われてはいましたけど、リーグが開幕してからは(ミドルの)練習らしい練習はしていなかったので......。高校生のとき、ミドルで試合には出ていたんですけど、サーブレシーブも受けて、真ん中から攻撃してという、今のSVリーグのミドルブロッカーとは全く違う。ちゃんとした動きがよくわからずに、同じチームのミドルの人に聞いて、練習して、試合に出たという感じです」
ブランクを感じさせないプレーでチームを救ったが、山崎自身は難しさを感じたと語る。
「ミドルとアウトサイドは、動き方が全然違う。ミドルは考えることがすごく多くて。だから『他の選手の邪魔だけはしないように』と、考えながらコートの中で動いていました。ミドルの皆さんは、アウトサイドの邪魔にならないよう気にしながらプレーしてくれていたんだな、と。昨シーズン、それをあらためて感じましたね」
他の選手の助走経路をふさがないよう心を配る。加えて、打たないケースでも囮(おとり)のために幾度も助走し、ブロックでも左右に大きく動く。「年齢的に学生のときとは身体も違うので、『きついなぁ』と思いながらやっていました」と本人は笑う。
そんな山崎にとって、2025年度の日本代表での活動はどんな経験になったのだろうか──。
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著者プロフィール
市川 忍 (いちかわ・しのぶ)
スポーツライター、編集者。神奈川県川崎市出身。日本エディタースクール夜間部卒業。『Sportiva』(集英社)、『Number』、『NumberWeb』(文藝春秋)などで埼玉西武ライオンズを中心とした野球と、バレーボールのコラムを寄稿している。著書に、2008年のバレーボール男子日本代表の16年ぶりの五輪出場を追った『復活~全日本男子バレーボールチームの挑戦』(角川書店)がある。Xアカウント:@ichikawashino。
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