【男子バレー】イタリア人記者が見た世界バレーの日本代表 「再出発のために必要なことは?」 (2ページ目)
【どういう体制で再出発するか】
一方、髙橋は同じような思いを「もっとできなかったかという悔いが残る。このふたつの敗戦を忘れることなく、この経験を糧にして強くなっていきたい」と、表現した。
左利きのオポジット、西田有志の不在が重くのしかかったのは確かだろう。2024年シーズン終了後、大阪ブルテオンの西田は、体調を考慮して1年間代表から遠ざかることを決断した。その代役として期待されたのは宮浦健人だったが、十分ではなかった。
その宮浦は「これが今の僕らのレベルだと受け入れるしかない。すぐに次の大会があるわけではないが、次に向けて準備しなければならない」と語っている。
とにかく日本は自信を持って未来を見据え、前進していかなければならない。タレントはいるのだから。また、SVリーグのルールの変化は大いなる助けとなるはずだ。2026~27シーズンから1チームあたりの外国人選手枠を3人に増やすことは、リーグ自体のレベルを上げ、選手は年間を通して世界のトップレベルと対峙することになる。日本人選手の成長をあと押しすることになるだろう。
この点で、日本が見習うべきはポーランドとイタリアだ。
さらにイタリア代表に関して言えば、東京五輪での失敗(準々決勝でアルゼンチンに敗退)のあと、新しい監督と若手中心のチームで再出発した。2021年欧州選手権金メダル、2022年世界選手権金メダル、2023年欧州選手権銀メダル、2024年パリ五輪4位。そして2025年世界選手権では優勝、連覇を果たした。4年間、主要大会すべてで上位に食い込んでいることが重要だ。
今、日本は同じことをすべきだろう。今後のシーズンで活躍する最も有望な若手を取り込むこと、そして監督――。そう、日本がまず考えなくてはいけないのは、どういう体制で再出発を目指すのが適切か、だ。確かにロラン・ティリは優秀な監督であり、日本は2028年のロサンゼルス五輪まで契約を結んでいる。しかしそれだけの理由で、今後の日本を任せてもいいのか。場合によってはもう一度、考える必要があるのではないか。
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