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【女子バレー】石川真佑が語る世界との差 悔しいパリ五輪から1年、日本の強みを「もう一段階上げられたら」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 石川はイタリアを本拠に、"世界"を日常に生きている。それは生き残りをかけた戦いで、体格、高さ、パワー、リズムの違いなどへの適応を意味する。もっと言えば、駆け引きの勝負だ。

「(世界バレーでは)自分たちよりも、高さがあるチームが多いので、そこでの攻め方が大事ですね」

 さらに彼女は、こう続けている。

「勝負どころで、どう攻めたら相手が対応しづらいか。攻撃の精度を高めていかないといけません。たとえば得意なコンビのところで(相手に)絞られてしまい、対応されることもすでに経験しているので、自分たちで打開策を見つけていけるように。

 "ここのプレーでは、スパイクもこういう打ち方をする"というトライはいくつもしてきたし、場面によって何ができて、何を使えば決まるか、の練習も積んできました」

 8月13日の練習でも、石川はさまざまなスパイクを打っていた。駆け引きをするだけの"手札"は十分にある。レフトからクロス、ストレートに打ち分けるだけではない。たとえば、佐藤淑乃からの2段トスを打ってブロックされながらも、決まるまでスパイクを続けていた。また、男子大学生ふたりが入った3枚ブロックもブロックアウトで得点する場面もあったが、長い滞空時間でコースを見極めた一撃だった。

【パリ五輪から1年、世界との差は縮まったのか】

 率直に言って、彼女が放つ迫力はパリ五輪の当時と比べると、段違いだ。たった1年で、彼女は成熟してダイナミズムを身につけた。

 だからこそ、投げたい質問があった。

――パリ五輪、最後のケニア戦直後、「オリンピックでは、相手は目の色が変わっていた」とおっしゃっていました。今回のネーションズリーグでもオリンピックと同じブラジル、ポーランドと戦いましたが、その差は縮まったでしょうか?(ネーションズリーグでは予選ラウンドでポーランドに勝利も、準決勝でブラジルに敗退。3位決定戦でポーランドに敗れて4位)

 彼女は目を大きくして言った。

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