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【SVリーグ男子】チャンピオンシップ準決勝は西田有志のブルテオン、髙橋藍のサンバーズ優位か (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【勝ちパターンが生まれたサンバーズ】

 もちろん、ジェイテクトにも勝機はある。天才セッター、関田誠大はトリー・デファルコ、宮浦健人という名うてのスパイカーたちを自由自在に操り、最高値を引き出す。

「関田のような優秀なセッターがいる、安定した戦いができるチームが相手だったら、ミスの代償は払うことになりますね。つまり、負けることになるのです」

 一昨シーズン、優勝を果たしたウルフドッグスのヴァレリオ・バルドヴィン監督は昨年10月の対戦時にそう語っていたが、関田は自分の世界をコートに展開できる選手だ。

 一方、サンバーズは16連勝でレギュラーシーズンを終え、僅差で2位だったが、チーム状態も含めると「最強」と言えよう。

 身長218センチのドミトリー・ムセルスキーの高さは、SVリーグでも比類がない。デアルマス・アラインもアタック成功率3位、サーブ効果率2位を誇る。ミドルブロッカー陣も鬼木錬が台頭著しく、パリ五輪代表の小野寺太志も復活を遂げつつある。昨シーズンのMVP、セッターの大宅真樹も新チームにフィットした。

 そして髙橋藍は西田と双璧を成すSVリーグの看板選手である。攻守にオールラウンドな活躍を見せ、無双状態に入ってきた。フェイクセットや背面ショットは単純にスペクタクルだ。

「うまくいっている要因は、自分たちが"チームの成長"にフォーカスしてきて、それが結果に出てきたのでしょう」

 オリビエ・キャットヘッドコーチは不敵に言う。

「開幕戦がうまくいかなかった時も、"連係面を深めていこう"と信じてやってきました。おかげで連係面がよくなり、各自のレベルアップにつながってきています。時間はかかりますが、長いシーズンでいい流れをつかめる、効果的なプレーができると考えていました。結果、何をすればいいか、選手は選択肢を増やしたし、解決策を見つけられている成長も見えますね」

 開幕戦、サンバーズはブルテオンに完敗したが、今や見違えるほどで、勝ちパターンが生まれた。サーブで崩し、ディフェンスを有利に運び、高さを生かす。シーズン終盤のブルテオン戦の連勝は印象的だった。

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