【ハイキュー‼×SVリーグ】日向翔陽の「低身長ミドル」の戦い方に共感するアランマーレ山形の伊藤摩耶 武器は朝練100本で磨いたサーブ (2ページ目)
その後、復興に向かう中で、他の中学に練習試合で遠征することがあったという。その学校は被災で大きな損傷を受け、教室の窓はなくなり、地震や津波の恐ろしさを目にした。それでも、対戦した学校の生徒たちは必死にバレーボールを追っていた。その姿に心が揺さぶられたという。
「中学のメンバーはみんな仲がよく、バレーを続ける人、続けない人もいましたが、とにかく個性的なメンバーでした!」
伊藤は朗らかに笑った。大変なこともあったはずだが、明るく話せるのも、人としての強さか。サーブはメンタルと鍛錬によって大きく変わるが、彼女がリーグ有数のサーバーなのは必然かもしれない。
「私は高校でもバレーを続けて、1年生からレギュラーになりましたが、先のことは考えていなかったです」
高校では、セカンドテンポ(※)を武器にするようになった。
(※)ファーストテンポがセットアップより前に助走するクイック攻撃で、セカンドテンポはセットアップと同時に助走を始める。ミドルはファーストテンポが多い。
「自分はミドルですけど、セカンドテンポでしか打っていなかったんです。センターエースな感じで、サイドにはあまり上がらず、レシーブしてバックアタックもして、ブロック3枚つかれてもひとりで打つ感じでした」
日体大で技術を積み上げ、2019年にアランマーレに入団。V2リーグ優勝に大きく貢献し、昨シーズンはV1の舞台に立った。
「身長(174cm)はSVリーグのミドルでは小さいと思いますが......サーブ、セカンドテンポを強みにこれからも頑張ります」
【伊藤摩耶が語る『ハイキュー‼』の魅力】
――『ハイキュー‼』、作品の魅力とは?
「出身が仙台なので、高校生の時は仙台市体育館でよく試合をしました。だから、『漫画にリアルな試合会場が描かれてる!』ってなりました。まず、そこに引きつけられました」
――共感、学んだことは?
「日向(翔陽)を見ていると、小さくてもあれだけ活躍できるのはいいなって思います。私もミドルとしては身長が低いので。日向はスピード勝負、自分はあんなに速くは動けないですけど、ブロックを利用したり。戦い方のアイディアを考えるところも共感しますね」
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