古賀紗理那の背番号2を継ぐ新エース、春高バレーを制した大友愛の娘も 今後の日本女子バレーを背負うスターは? (2ページ目)
【古賀の背番号2を継いだ新エース】
各チームの力は僅差で、接戦が続く。1月11日、NEC川崎は首位の大阪マーヴェラスと戦い、フルセットの末に3-2と逆転勝利を収めている。試合は長いラリーの応酬。最後までどう転ぶかわからないスポーツの醍醐味があった。
全体のレベルも上がっている。イタリア代表シルビア・ヌワカロール(東レアローズ滋賀)、ブラジル代表ロザマリア・モンチベレル(デンソー)、アメリカ代表ステファニー・サムディ(SAGA久光)と各国の凄腕スパイカーが揃う。さらにアメリカ代表のミドルブロッカー、ブリオンヌ・バトラー(Astemoリヴァーレ茨城)は、身長195cmの長身を生かして制空権を握る。
そうして"矛"に"盾"が鍛えられるように、日本女子バレーの「粘り」も目立つようになった。
「(日本バレーの特徴は)とにかくディフェンス。今日も、どこにアタックを打っても拾われる感覚がありました」
強豪・ブラジル代表のアウトサイドヒッター、ロレイナ・メアリーズ(NEC川崎)は、そう言って肩をすくめた。
「ブラジル、イタリアでプレーしましたが、向こうの選手は身長が大きく、展開も速く、セッターがトスを上げて得点、という感じで進みます。でも、SVリーグは違う。ディフェンスが強いチームが多いので、ラリーが長く続く。自分も拾われて焦りを感じるし、その感情をコントロールすることでレベルアップできる実感があります」
海外のトップ選手と競うなかで、日本人選手も成長している。
「リーグが始まって、最初はプレッシャーも感じていたんですが......」
NEC川崎の新エース、筑波大学卒のルーキーである佐藤淑乃は、古賀の背番号2を継いだ心境をそう洩らしている。
「(FIVB女子)世界クラブ選手権(昨年12月開催)を終えてからは、自分のスパイクが決まったらチームの結果につながる、というのをあらためて実感できるようになりました。世界のトップ選手と対戦することによって、プレーもそうですけど、チームのなかでの立ち回り方を意識できるようになったと思います」
佐藤は外国人選手が上位を独占する総得点ランキングで6位(日本人2位)と健闘。正念場での決定力が光る。
「普段からトレーニングは厳しくやっているので。フルセットを戦い抜く体力は、どのチームよりもあると思います」
そう語る佐藤は、新時代のエース候補だ。
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