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女子バレーSVリーグ開幕から2カ月 古賀紗理奈の後を継ぐスーパースターは出現するか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【各チームにパーソナリティのある選手が】

 10月12日、SVリーグ、女子バレー開幕戦はNEC対埼玉上尾メディックスで行なわれている。

 当日は、試合後に古賀の引退セレモニーなども企画されており、老若男女の熱気に包まれ(男子バレーは圧倒的に女性人気が高いが、女子バレーの観客は男女や年齢のへだてなく、家族連れやカップルなどが多い)、3280名の入場者を記録していた。これは昨年のVリーグの平均の3倍以上だった。翌日の同じカードも2632名で、悪くない滑り出しだったと言える。

 ただしその後、入場者数はやや苦戦している。平均で1000人強程度を推移。昨シーズンの数字を上回っているものの、目標とする2000人に到達するためには、やはりスターが生まれる必要があるのだ。

 もっとも、パーソナリティのある選手がいないわけではない。

 筆者は『ハイキュー?×SVリーグ』の連載企画で、この2カ月で各チームの計30人ほどの選手をインタビューしてきた。その肌感覚で言えば、多くの女子選手がバレーへの引力を感じ、人生を懸けて打ち込み、何かを見せようと必死になっている。端的に言って魅力的な選手たちだし、そのプレー自体もスペクタクルだ。

 たとえばリベロでは、現在リーグ2位のデンソーエアリービーズの川畑遥奈がサーブレシーブ成功率1位で、新たな代表入りも視野に入れる。サーブレシーブ成功率3位で埼玉上尾の岩澤実育は、アウェー会場で「岩澤に向かって打つな」という悲鳴が聞こえるほど、レベルの高いディグを見せる。

 セッターでは、クインシーズ刈谷(10位)の髙佐風梨が、捉えどころのない性格と重なる幽玄のようなものをプレーに感じさせ、来年1月開催のオールスターゲームにもリーグ推薦で選ばれている。同じくオールスターゲームメンバーで、KUROBEアクアフェアリーズ富山(11位)の安田美南にはスケール感がある。

 ミドルブロッカーでは、PFUブルーキャッツ石川かほく(9位)の細沼綾が、リーグ4位と外国人選手顔負けのブロック決定本数(1セットあたり)を誇る。同じく姫路の伊藤麻緒は、ブロックの流儀を感じさせる。アランマーレ山形(13位)の伊藤摩耶は昨シーズン、サーブランキング2位で、セカンドテンポを武器にする。デンソーの大﨑琴未は実力、人気のある選手で、ケガからの復帰が望まれる。

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