関田誠大は「チームを勝たせられるセッター」連続逆転勝利で見せた戦術的才能の一端 (2ページ目)
【ゲームのリズムを作った】
そう語る関田は、2セット目の立ち上がり、サービスエースを取るなど、3連続ブレイクに成功した。これで、呆気なく流れを引き戻す。着実にサイドアウトを取って、トリー・デファルコ、宮浦健人、藤原直也を自在に使い、得点を重ねていった。18-20と2点差に迫られたが、再び関田がサーバーで連続ブレイク。22-25で競り勝った。
3セット目も、関田のサーブで相手を撹乱し、先手を取る。接戦のなか、ウルフドッグスにミスが出始め、デファルコ、宮浦が豪快にスパイクを打ち込むたび、セットアップした関田は歓喜で体を震わせていた。怒涛の流れで、16-25と大差をつけて奪った。
「チームとして打開していく、試合を乗り越えていく、というのはとても楽しかったです。僕としてもサイドアウトを取らないといけない、っていう責任を感じながらやっていたんですけど。(周りが)パスを非常に頑張ってくれて、スパイカーも一生懸命やってくれていて。その思いを感じながら、今日は臨めたと思います」
関田は、試合をそう振り返っている。ゲームのリズムを作る。その点で、彼がコントロールした試合だった。
すでに流れをつかんだ4セット目、反撃に出たウルフドッグスに対し、関田はトータルな攻守でサイドアウトを取り、粘り強いプレーに徹している。そしてリベロの小川智大が拾い、高橋健太郎がブロックで連係し、長いラリーを制すと、一気にポイントを取っていった。味方が振った右腕が不可避に顔へ当たって、鼻血を出すアクシデントもあったが、勝利へ突き進んだ。
「ラリーに関しては、ものにできると信じていました。(関田)誠大のトスのチョイスもよかったので。ロングラリーを取るチームは、やはり勢いに乗れるので大事です」(ゴゴール監督)
ジェイテクトは19-25でこのセットを取り、セットカウント1-3で勝利を収めている。
「チームを勝たせられるセッター」
それが関田の信条だが、確実に実行していた。今や史上最強と言われる日本男子バレー代表を牽引してきた戦術的才能の一端を見せた戦いだったと言えるだろう。勝ち筋を見出す。その点で、やはり傑出している選手だ。
2 / 3