石川祐希を同僚がハグ「ペルージャへようこそ!」 今季最初のタイトル&MVP獲得

  • ダヴィデ・ロマーニ●文 text by Davide Romani(『ガゼッタ・デロ・スポルト』)
  • 利根川晶子●訳 translation by Tonegawa Akiko

 ペルージャと日本は、およそ四半世紀前から"スポーツ"という絆によって深く結ばれている。ローマやパルマといったセリエAの名門クラブで活躍したサッカーの中田英寿は、1998年、まずペルージャからイタリアでのスタートをきった。そして今、ペルージャのバレーボールファンの熱い視線は、ある日本人選手に向かっている。パリオリンピック準々決勝でイタリアを震え上がらせた日本代表のキャプテン、石川祐希だ。

 ペルージャは昨シーズン、スーパーカップ、イタリアカップ、チャンピオンシップ(リーグ)、クラブワールドカップの4つのタイトルを獲得したイタリア屈指の強豪だ。そんなチームにこの夏加入した石川だが、最初の公式戦であるスーパーカップで、早くもチームを優勝に導く立役者となった。ピアチェンツァとの準決勝(3-1)とトレンティーノとの決勝(3-2)の両方でマッチポイントを奪い、トレンティーノ戦ではチーム最多の20得点を挙げてMVPに選出された。

スーパーカップで優勝、MVPを獲得する活躍を見せた石川祐希(ペルージャ)photo by PA Images/AFLOスーパーカップで優勝、MVPを獲得する活躍を見せた石川祐希(ペルージャ)photo by PA Images/AFLOこの記事に関連する写真を見る「初めてスーパーカップのトロフィーを手にできてとてもうれしい。これが、これから続く勝利のほんの手始めであってほしい」

 試合後の彼はそう言っている。

 スーパーカップはリーグ開始前の前哨戦という位置づけであり、ペルージャが戦うべきほかの大会に比べれば、重要度の低いタイトルではある。だが、新シーズンをこのようないい形でスタートできたのは、クラブにとっては非常に大事なことだ。

 ペルージャは現在、ほかのイタリアのチームにとって破るべき目標であり、トップレベルの選手たちで構成されている。セッターにイタリア代表の司令塔でありキャプテンのシモーネ・ジャネッリ。3人のアウトサイドヒッターはポーランドのカミル・セメニウク、ウクライナのオレイ・プロトニツキ、そして石川。ミドルブロッカーにはイタリアのロベルト・ルッソとアルゼンチンのアウグスティン・ロセル、セバスティアン・ソレ。そしてリベロにはペルージャがこれまで獲得した14のタイトルすべてに関与しているベテラン、マッシモ・コラーチ......。

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