石川祐希を同僚がハグ「ペルージャへようこそ!」 今季最初のタイトル&MVP獲得 (3ページ目)

  • ダヴィデ・ロマーニ●文 text by Davide Romani(『ガゼッタ・デロ・スポルト』)
  • 利根川晶子●訳 translation by Tonegawa Akiko

【監督が語るタイトルを懸けた戦いの重要性】

「ペルージャに来たのは、とにかく優勝したかったからで、幸いにもそのチャンスはすぐに訪れました。でも今は頭をリーグ戦に切り替え、初戦のヴェローナ戦に集中する必要があります」

 スーパーカップでMVPを受賞後、石川はこうコメントした。

 石川は新シーズンをアンジェロ・ロレンツェッティ監督のもとで戦う。彼は石川がイタリアで初めて所属したモデナ時代の監督であり、今回、獲得を強く望んだ張本人である。スーパーカップの決勝戦では、最初の2セットで石川がブロックに阻まれていた時、何度も叫んで彼を励まし続けていた。

「落ち着いて、自分のプレーをしなさい!」

「ユニフォームにはそれぞれの重さがある。なかでもペルージャのユニフォームはかなり重く、それをまとうのは簡単なことではない。何よりも大事なことは、仲間たちの信頼を得られるようなプレーをすることだ。そしてまず、彼はそれに成功した」

 ロレンツェッティ監督は試合後に語っている。

「ここ数年、石川はミラノで大きく成長してきたが、おそらく、こうしたタイトルを懸けた戦いの経験は足りなかったのだと思う。そのため、この試合も決して最高の形でスタートしたわけではなかったが、最後は粘り勝ちした」

 石川がこれまでイタリアで手に入れたタイトルはふたつ。2014-15シーズンのモデナで手に入れたコッパ・イタリア(ただし、この時はまだ主力ではなかった)、そして2020-21シーズンにミラノで優勝したチャレンジカップ(欧州で3番目に重要なカップ戦)だ。

 今、石川は新たな旅に乗り出した。今季のペルージャにはチャンピオンズリーグもある。多くの勝利を重ねてきたペルージャにとって、チャンピオンズリーグは唯一、手にしたことのないタイトルだ。

「まずはスーパーカップを勝ち取った。あとは今後、何ができるかです」

 試合後のインタビューを、石川はこう締めくくっている。すでにチームにうまく溶け込んでいるようだ。スーパーカップの勝利が決まった直後、同僚のプロトニツキは彼をハグして、こう言った。

「ペルージャへようこそ!」

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