石川祐希を同僚がハグ「ペルージャへようこそ!」 今季最初のタイトル&MVP獲得 (2ページ目)

  • ダヴィデ・ロマーニ●文 text by Davide Romani(『ガゼッタ・デロ・スポルト』)
  • 利根川晶子●訳 translation by Tonegawa Akiko

【ペルージャには「石川マニア」が】

 そのなかでも、石川がゆるぎない地位にあることを示すのが、彼に与えられた背番号だ。「背番号14」。これはペルージャにとっては特別なユニフォームである。なぜなら2013年から2021年まで8年間、ペルージャに所属していたセルビア人オポジット、アレクサンダル・アタナシエビッチがつけていた番号だからだ。多くの勝利をチームにもたらした彼は、ペルージャサポーターの英雄だった。

「アタナシエビッチがつけていた背番号14のユニフォームを着ることは、僕にとって名誉なことです。彼のように活躍しなければならないでしょう」

 石川自身もその重要さを理解しているようだ。

 プレーヤーとしての特性は異なるものの、サポーターはアタナシエビッチと同じカリスマ性を石川に見出している。ペルージャの街にはすでに「石川マニア」が大量発生している。スーパーカップが行なわれたフィレンツェのグッズ売り場でも、石川の名前が日本語で書かれシャツが飛ぶように売れていた。

 クラブ史上14個目のトロフィーとなるスーパーカップ優勝に歓喜しながら、ペルージャのジーノ・シルチ会長はマイクに向かって叫んだ。

「ユウキは本当に偉大な選手だ!」

 勝利の美酒にしばし酔いしれたあとは、本格的なシーズンが待っている。2024-25シーズンのスーペルレーガは9月29日から始まる。リーグは12チームで構成。3月までホーム&アウェー形式でレギュラーシーズンが行なわれ、その後、上位8チームによるトーナメント形式のプレーオフが行なわれる。

 ディフェンディングチャンピオンであるペルージャの一番のライバルは、昨シーズン3位のトレンティーノだろう。ダニエレ・ラヴィア、アレッサンドロ・ミキエレット、リッカルド・スベルトリ、ガブリエレ・ラウレンザーノといったイタリア代表選手たちに加え、ブラジルのフラビオ、スロベニアのヤン・コザメルニクといった強敵が揃っている。そのほかに気をつけなければいけないチームはヴェローナ、チヴィタノーヴァ、モンツァあたりだろう。

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