柳田悠岐がいなくても好調のソフトバンク野手陣 攝津正が今後「警戒すべきチーム」に挙げたのは? (3ページ目)
【2位以下で警戒すべきチームは?】
――他チームの状態はどう見ていますか?
攝津 交流戦でオリックスが少し上向きかなと思ったのですが、今ひとつ乗り切れないですね。特に、打つほうで苦労しています。日本ハムは交流戦で首位打者(歴代最高打率.438)になった水谷瞬をはじめ、打線に迫力と厚みが出てきました。水野達稀の故障離脱は痛いですが、若い選手が多いだけに勢いに乗った時は怖いチームだと思います。
警戒すべきチームを挙げるとすればロッテでしょうか。佐々木朗希が離脱するなどしていますが、個人的にはピッチャーが揃っていると思いますし、11連勝した時にはチーム全体に驚異的な粘りがありました。ネフタリ・ソトとグレゴリー・ポランコはいいところで打点を挙げていますしね。
それと、これは相性なのかもしれませんが、ソフトバンクはZOZOマリンスタジアムが苦手な傾向があります。マリンでのカード頭で勢いに乗られると、飲み込まれてしまうような独特な雰囲気を感じます。ロッテは、投打でストロングポイントが際立っているわけではないのですが、なんとなく勝っていくんですよね。
――リーグを独走する今、ソフトバンクはチームとしてどう戦っていくべきですか?
攝津 ここまでの戦い方を変えず、目の前の試合をしっかり勝ち切っていくことでしょうね。ただ、小久保裕紀監督はどんな状況でも気が緩むような性格ではないですし、そういう面では心配ないんじゃないかなと。要所要所でチームを厳しく引き締めてくれるはずです。
【プロフィール】
攝津正(せっつ・ただし)
1982年6月1日、秋田県秋田市出身。秋田経法大付高(現ノースアジア大明桜高)3年時に春のセンバツに出場。卒業後、社会人のJR東日本東北では7度(補強選手含む)の都市対抗野球大会に出場した。2008年にソフトバンクからドラフト5位指名を受け入団。抜群の制球力を武器に先発・中継ぎとして活躍し、沢村賞をはじめ、多数のタイトルを受賞した。2018年に現役引退後、解説者や子どもたちへ野球教室をするなどして活動。通算282試合に登板し、79勝49敗1セーブ73ホールド、防御率2.98。
著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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