「体の一部を撮られているんじゃないか」モデルにも挑戦するバレー選手・賀谷明日光が語る性的撮影の不安と別の「悩ましい問題」 (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • 松永光希●撮影 photo by Matsunaga Koki

――Vリーグ、他のあらゆるスポーツもファンの応援は力になりますが、ごく一部で女性アスリートを性的な意図を持って撮影する行為もあり、社会問題になっています。賀谷さんもそういう視線を感じることがありますか?

賀谷 私はあまり気にならないタイプですが、プレーしている姿じゃなくて、体の一部を撮られているんじゃないかと考えると、やっぱり嫌ですよね。私の写真も、そういった形でインターネットに載っているのを見たことがあります。

――そういったことを気にしすぎると、プレーにも影響する?

賀谷 気になる選手は本当に気になっちゃうので、シャッター音でタイミングがズレる、といったこともあると思います。サーブなどで客席に近づいた際には、カメラのシャッター音も聞こえますからね。

純粋にプレーを撮っているのと見極めるのは難しい。決して諦めるというわけではなく、ユニフォームの中に着るものなど、自分が防げるところは防ぐようにしています。そういったことに慣れていないチームメイトなどには、できるだけ自分が経験を伝えるようにしてきました。

――行為がなくなることが一番ですが、賀谷さんはしっかり対策ができているんですね。

賀谷 現場で撮られることに対してはそうですが、他のところで悩ましい問題もあります。自分の写真が「かわいい」といった言葉と一緒に載っている時に、基本はうれしいんですが、「そんなことない」「否定しろよ」といったマイナスなコメントをしてくる人が必ずいるんです。

注目してもらえることをプラスに捉えている、という話もしましたが、私にも感情の波がある。落ち込んでいる時に攻撃的な言葉を見ると、すごくつらくなってしまうことがあります。そんな行為もだいぶ抑えられるようになってきたかのかな、とは思いますが......今後はプレーだけじゃなく、そういった部分も含めて自分の考えをより伝えていきたいと思います。

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