女子バレーボール林琴奈が日本代表の主軸へ。ほぼ出番なしで「悔しかった」東京五輪からどのように成長したのか (3ページ目)

  • 中西美雁●文・撮影 text & photo by Nakanishi Mikari

――そして、指揮官が代わった今年度の日本代表にも名を連ねることになります。

林 昨年度の代表では、東京五輪も含めてあまりコートに立つことができかったので、「今年度はできることを増やせるようにしたい」と強く思っていました。コートの中でしっかり活躍したかったですし、自分のできることを精いっぱいやるだけだと。

――2022年度から代表監督を務める、眞鍋政義監督の印象は?

林 感情が昂ったり、語気が強くなったりということはないですが、すごく勝ちにこだわっていることを感じる監督です。戦術や気持ちの部分など、勝つために必要なことをたくさん教えてもらいました。オン・オフがしっかりしているのもいいですね。

――今年の夏に行なわれたネーションズリーグの間に、林選手はポジションが変わりました。JTでは主にレフトですが、代表ではライトに定着。そこに戸惑いはありましたか?

林 これまでも、ライトの経験がなかったわけではありません。中学の時と高校3年時、JTでも1年目はライトでプレーしていましたから。ただ、最初は「代表でもできるのかな?」という不安がありましたね。ライトはオフェンスもディフェンスもしっかりやらないといけない大事なポジション。そこを担うことに自信を持っていこうと思いました。

――ネーションズリーグで日本代表はいいスタートを切りましたが、終盤は負けが続きました。何が原因だったんでしょうか?

林 代表が初めてだったり、あまり経験がない選手が多かった影響もあるかもしれません。私も含めてキャリアの浅い選手が、長く海外でプレーすることは大変なので、最後は集中力や体力が持たなかったのかもしれませんね。

――その後の世界バレーでは、その教訓が生かされましたか?

林 そうですね。ネーションズリーグのあとはさまざまなアプローチで体力面の強化をしていきました。試合の後にもウエイトトレーニングを入れたり、食事も補食(通常の1日3食に加えて物を食べること)や、炭水化物をしっかり摂るといったことを意識していました。

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