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47歳で現役トップ選手かつ実業家。西村晃一がビーチバレーに捧げる情熱 (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

チームのホームコートでもある、渋谷の宮下パーク屋上にあるビーチバレーコート photo by Tanaka Wataruチームのホームコートでもある、渋谷の宮下パーク屋上にあるビーチバレーコート photo by Tanaka Wataru 40歳を超えてなお進化を続けていたが、2017年に入って右肩の腱板断裂という選手生命を脅かす大ケガを負う。数々の肩の名医を紹介され病院を渡り歩いたが、みなが「この状態で野球選手もバレー選手も復帰した人はいないです。手術をしても元の状態に戻るのは難しい」と口を揃えた。

 年齢も考えれば、そこで現役を退く決断をしてもおかしくはない。しかし西村は迷わず「手術をして、肩を元の状態よりも強く鍛え直して、絶対に復帰する」と決意。術後は、もう一度スパイクが打てる日を信じて厳しいリハビリに耐えた。

 結果、復帰絶望の宣告を受けてからわずか数カ月でプレーができるまで状態を戻す。復帰戦となった2017年7月のジャパンツアー第5戦の「大洗大会」で準優勝。それでも西村は「優勝しないと復帰したことにはならない」と、同年のツアーの3大会と8月に開催されたビーチバレージャパンで合計4回の優勝を果たした。

 そして2020年の東京五輪へ――。そう突き進んでいるところで、開催の延期が発表された。

「かなりショックでした。出場権を得るための膨大な練習、犠牲にしてきたこともいっぱいあるので、それを考えると苦しいですよね。でも、東京オリンピックを集大成にと考えていたので、バレーボールの神様がプレーする時間を延ばしてくれたんだと思うと、感謝の気持ちが湧いてきました。肩の状態もよくなっていく一方ですし。

 でも、『またあの苦しい思いをするのか』と想像するだけで吐きそうですけどね(笑)」

 そう語る西村の目は生き生きとしていた。

後編につづく

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