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柳田将洋も驚いた「未知の体験」。
Vリーグ復帰で見せた成長の証と存在感 (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 火野千鶴●撮影 photo by Hino Chizuru

 第3セットも均衡した展開となったが、ここから柳田の存在感が光った。

 クレクに負けじと連続サービスエースを決め、栗山らと共にバックアタックなどで得点を重ねてこのセットを奪う。続く第4セットも、フェイクトス(ツーアタックを打つと見せかけてトスを上げ、ノーブロックにしたスパイカーに決めさせるプレー)や、クレクを1枚ブロックで止めるなどして流れを引き寄せた。そのまま第4セットを制したサントリーが、セットカウント3-1で開幕戦白星を飾った。

 勝利後の記者会見は、密を避けるためにコート上で行なわれた。筆者はこれまで20年以上バレーの取材をしてきたが、日本でこういった形の会見に出るのは初めて。そのなかで柳田は、久しぶりのVリーグでのプレーについて「代表でも日本でプレーはしてきたので、そこまで特別な感情はなかったです」と述べつつ、開幕戦について次のように振り返った。

「最初はやはり、自分も含めてみんなに硬さがありました。第2セットは、個人的には自分のせいで落としたと思っています。ただ、そこで諦めずに第3セットを取り返し、第4セットも連取できたのは、チームの力だと思います。

 お客さんがいる状態での久しぶりの試合は、とてもやりがいがありました。この状況で、有観客での開催を実現してくださった関係者の方々、足を運んでいただいたファンの方々、会場までは来られずとも動画配信で見てくださった方々に、あらためて感謝したいです」

 ローテーションの関係でマッチアップする場面が多かった、現在の世界トップクラスの選手であるクレクへの対応については、「コンディションはまだまだでしょうし、今後はもっと調子を上げてくるはずですが、負けないように準備をしたい。彼の強烈なサーブは未知の体験でした。でも、みんなで声を掛け合ってしっかり"面"を作り、弾き飛ばされないよう試合中に修正できた」と手ごたえを語った。

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