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「奇跡のチーム」で史上初の高校6冠。
石川祐希が最後の春高で見せた輝き (2ページ目)

  • 高井みわ●取材・文 text by Takai Miwa
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 この年代の星城は「奇跡のチーム」と呼ばれた。"日本バレー史上最高の逸材"と評価されていた石川以外にも、Vリーグ2019-20シーズンでジェイテクトSTINGSを初優勝に導いた中根聡太(教員の道に進むために今年3月に引退を発表)がセッターを務め、石川と同じサイドアタッカーには、堺ブレイザーズの山﨑貴矢と、のちに中央大学でも共にプレーするJTサンダーズ広島の武智洸史がいた。

 さらに、ミドルブロッカーに神谷雄飛(ウルフドッグス名古屋)、リベロにはウルフドッグス名古屋に所属しながら、イタリアやドイツなど海外リーグに挑戦し続ける川口太一(ロッテンブルク)と逸材揃い。そんなドリームチームに、竹内裕幸監督の指導法がうまくはまった。

 竹内監督の方針は「選手たちに細かく教えすぎないこと」で、課題は与えるが口出しは極力しない。ミーティングにも監督は加わらず、選手たちのみで行なう。石川が3年生で主将を務めていた時も、互いに意見を出し合った。そうして考える力が育まれた選手たちだからこそ、どこにも負けない強さを手に入れることができたのだ。

 2014年の春高の名勝負として、準決勝の星城vs東福岡(福岡県)戦を挙げる人が多いだろう。当時の東福岡も、のちにVリーガーになる1年生エース・金子聖輝(JT:現在はセッター)をはじめ、2年生には永露元稀(ウルフドッグス名古屋)、谷口渉(FC東京)らを擁しており、まさに天王山、事実上の決勝戦だった。

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