「簡単に返事をしてはいけない」栗原恵が移籍のオファーに迷った訳
大山加奈との"メグカナ"ブームで女子バレー人気をけん引し、2004年のアテネ五輪、2008年の北京五輪に出場した栗原恵。この春に日立リヴァーレを退団し、身の振り方が注目されてきたが、6月1日付でJTマーヴェラスに入団することが発表された。
今年で33歳と、ベテランの域に差しかかった栗原はなぜ移籍を決意したのか。JT入団に至るまでの経緯や、JTの吉原知子監督とのエピソードなどを聞いた。
JTマーヴェラスへの移籍について語る栗原恵――今回、JTマーヴェラスへの入団はどのように決まったんでしょうか。
「前チームの日立リヴァーレを退団させていただいて、しばらくはフリーの時間を過ごしました。そのときにJTマーヴェラスの監督であるトモ(吉原知子)さんから直々に声をかけていただいたんです。最初は気軽な感じで『会って話をしましょう』と。その後の面談でお互いの考えを伝え合ったうえで『JTに来てほしい』とオファーをもらいました。
そのときは引退も視野に入れていたので、すぐには決められませんでした。すごく若いときから私のことを知っているトモさんに声をかけてもらえたのは、とてもありがたくて嬉しかったです。でも、引退を考えながら長く休んでいたので、自分の今後と真剣に向き合う時間をいただきました」
――その間にどんなことを考えていたんですか?
「トモさんは普通の監督さんとはちょっと違って、現役時代もずっと背中を見てきた"大先輩"。私もベテランと言われる年齢になりましたけど、私が初めて全日本に選ばれたときは、本当にストイックなトモさんを『これが選手のあるべき姿なんだな』と見ていました。偉大すぎる方なので、JTへの移籍も簡単に返事をしてはいけないと考えていました」
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