女子バレー中田久美監督が描く、「東京五輪メダル」へのロードマップ (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

――そしてセッターについては、やはり中田監督自身が現役時代に担っていたポジションということもあり、ファンの注目度も高いと思います。昨シーズンに起用が多かった冨永こよみ選手と佐藤美弥選手、2年ぶりに代表に復帰した田代佳奈美選手に期待するところ、今回はメンバーから外れた宮下遥選手について思うところを聞かせてください。

「冨永と佐藤に関しては、やっと今シーズンにスタートラインに立つといった感じです。以前は世界とだいぶ差があったのが、全日本で1シーズン戦ったことで変わったんじゃないかと。日本の女子バレーは、セッターとリベロが絶対的存在でなければダメだと思っているので、それを彼女たちにも要求しています。

 宮下については、個の能力については抜群だと思いますが、アウトサイド(アタッカー)が変わっていくなかで、その選手たちを『活かす』ということを考えると、ちょっと難しい。絶対的エース、2メートル級のエースがいれば話は別ですが、日本はそんなチームではないですから。ケガをしたヒザの調子も踏まえたうえで、チームのメンタル的な安定も期待して、今回は同じくリオオリンピックを経験した田代を選びました」

――チームをまとめるキャプテンの岩坂名奈選手に求める役割は?

「キャプテンだからといって特別なことをする必要はありません。彼女はすごく真面目で、チームをまとめる、引っ張るということばかりに重きを置きやすい選手なので、まずは選手として頑張ることを優先してほしい。セッターの冨永や佐藤は同世代ですし、力を合わせて自分の思う通りにやっていってもらいたいです」

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