女子バレー中田久美監督が描く、
「東京五輪メダル」へのロードマップ (3ページ目)
――中田監督から見て、石井選手の物足りなかった点はどういったところでしょうか。
「『できなかったらどうしよう』という考えから入っていたところです。それを『どうやったらできるか』という思考に変えてほしいと言い続けていました。若手で同じポジションの選手も入ってきますから、彼女にとっては勝負の年になると思います」
――その若手選手としては、昨シーズンはアンダーエイジカテゴリーでプレーしていた、黒後愛選手や井上愛里沙選手の活躍が楽しみです。
「黒後は高校卒業を待たずに東レアローズ(Vリーグ)の一員として戦っていましたし、器用で何でもこなせる井上(愛里沙)も大学ではトップレベルの選手でした。それでも私は、監督に就任したときにも話しましたが、やはり全日本チームは『スペシャルじゃないといけない』と考えているので、"可能性"とか"若さ"とか、そういうものだけで選ぶべきではないと思っています。だから、昨シーズンのユニバーシアードやアンダーエイジカテゴリーの世界選手権でどんな活躍をするかに注目していました。
彼女たちがチームの中心になるのはわかっていましたし、そういうプレッシャーの中で発揮してきた力を全日本でも見せてもらいたいです。特に黒後は、アンダーエイジカテゴリーで日の丸を背負ってきた期間がとても長いので、世界と戦うことに対する慣れもあると思います。それに加えて、フィジカルの強さや存在感、物怖じしない性格など、全日本のエースになる可能性を非常に感じさせる選手ですね」
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