2018.06.09

小さいけど存在感は大。男子バレー
全日本178cmアタッカーの正体

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 浦川一憲●写真 photo by Urakawa Ikken

 今年から新設された国際大会、ネーションズリーグを戦う全日本男子バレーボールチームで、身長178cmのアタッカー・浅野博亮(ひろあき・27歳)が躍動している。スパイクだけでなく、正確なレシーブで守備面でもチームに貢献。大阪で行なわれている予選ラウンド第3週でも活躍が期待されている。

VリーグのジェイテクトSTINGSでも攻守で活躍する浅野博亮 全日本のエースで191cmある石川祐希でさえ、海外の代表クラスの選手と比べると「小型アタッカー」と言われるバレー界では、浅野は「ちびっこ」と言ってもいい。本人もそれを自認しており、「ちっちゃいけど、よく跳ぶのが自分の売りです」と笑う。

 浅野が辿ってきた競技人生は、他の代表選手のそれとはだいぶ違う。両親がバレーをしていたことから5歳からバレーを始め、中学3年の時には全国中学選抜に選ばれたが、高校までで「トップレベルのバレーはもうお腹いっぱいだな」と考えていた。

 強豪大学からの誘いを断って兄のいる愛知大学に進学したところ、1年生からエースとなり、兄と共にチームを強くしてしまったことで、図らずもバレー漬けのキャンパスライフを送ることになった。ただ、バレー関係者から注目される選手にはなったが、Vリーグでプレーすることはまったく想定していなかった。

「その頃は、Vリーグの仕組みもよくわかっていなくて(笑)。どんなチームがあるのかとか、プレミアリーグの下にチャレンジリーグがあるとか、そういうことすらも知りませんでした」

 そんな浅野が就活に疲れてきた頃に、ある大学のバレー部監督になる話と、現在の所属チームであるジェイテクトSTINGSの社員選手になる話を同時にもらった。迷った浅野が小学生時代から大学までの恩師たちを訪ねて相談したところ、「自分のチームからVリーガー(当時は2部に当たるチャレンジチーム)が出てくれたら嬉しい」という声が多く、徐々にその気になっていった。