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女子バレー中田久美監督が描く、
「東京五輪メダル」へのロードマップ (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

――昨シーズンは新鍋理沙選手、内瀬戸真実選手というサーブレシーブが安定した選手を対角にして、古賀紗理奈選手や石井優希選手のサーブレシーブを免除する形で起用していましたが、その意図を教えてください。

「昨シーズンは、レセプション(サーブレシーブ)アタックの決定率と効果率、特にAパス(セッターが動かずにトスアップできるサーブレシーブ)のときの確率を上げることを目標のひとつとしてチームを強化してきたので、そこが崩れる場面をなるべく少なくしたかったんです。もちろん、古賀にも石井にもサーブレシーブに参加させて戦う必要もあったかもしれないですけど、それは今シーズンにやればいい。それよりも、相手にサーブ権を渡さず、サーブで自信を持って攻めていくというのが、私の中での優先順位でした」

――新鍋選手に対する、"サーブレシーブの要"としての信頼は厚そうですね。

「それももちろんありますが、指示したことを練習できっちりやるだけでなく、試合でも実行できることがすごい。練習ではできたことが、試合でできなくなる選手は少なくないですからね。あとは、周囲の目を気にせず、『やるべきことはやる。やらなくてもいいことはやらない』という信念がブレないところが、彼女のいいところです」

――以前のインタビューでは、ご自身に似ているとも言われていましたが。

「いえ、たぶん新鍋のほうが芯は強いと思いますよ(笑)」

―― 一方で、得点源としてだけでなく、守備面でも期待されるのが石井選手だと思います。昨シーズンのVリーグを制した久光製薬スプリングスでは、MVPとレシーブ賞、ベスト6を受賞しました。

「MVPもレシーブ賞も、彼女にとってすごく自信になったと思います。それを全日本でどう活かすのかに期待しています。27歳になった彼女は全日本チームの中でも中堅の選手になるので、4年前の全日本でプレーした石井優希のままだと、ちょっと困るかな(笑)。現時点では変化があったように感じますし、これからの試合でどのくらいやってくれるのかを見たいです」

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