世界を知った東レコンビ・李博と藤井直伸が、Vリーグに持ち帰るもの (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 浦川一憲●写真 photo by Urakawa Ikken

――監督が途中合流する異例のスタートとなりましたが、その影響は?

 監督代行を務めていた(フィリップ・)ブランコーチから、中垣内(祐一)監督にすんなりと引き継がれたので気になりませんでした。指導の内容も大きく変わらず、混乱することがなかったですからね。

藤井 選手たちは「ただやるだけ」という気持ちでしたから、僕も気にならなかったです。

――ブランコーチ、中垣内監督からはどのような指示をされますか?

 ミドルブロッカーとして"割り切り"を大事にするように言われています。特にブロックに関しては自分が最高の状態じゃないとなかなか決まらないので、全部のスパイクを止めにいかず、ココと決めたところに積極的に手を出しにいくよう意識しました。

藤井 セッターに関しては、相手のミドルブロッカーとの駆け引きをすごく重視しているので、相手ブロッカーの動きをチェックするようになりましたね。僕のミドルの使い方を評価してくれて、パイプ(縦の時間差)攻撃も強化しました。

――東レでもそうですが、2人のコンビではBクイックが多用されていますね。李さんは、中国代表のバレー選手だったお母さんからアドバイスを受けたりも?

 母は郎平(ろう へい:元中国代表監督)さんにトスを上げていたと聞いています。以前はセッターの視点から「ネットとの隙間をなくしたほうがいいよ」など、アドバイスをもらっていました。今はもうないですけどね。
 
 試合中は、今はBクイックの割合が多いんですけど、僕が筑波大学でプレーしていたときは(よりセッターと近い位置で打つ)AクイックとCクイックしか打てなかったんです。それが東レに入ってから、篠田(歩)コーチに「お前はBクイックを身につけろ」と言われ重点的に練習するようになりました。

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