世界を知った東レコンビ・李博と
藤井直伸が、Vリーグに持ち帰るもの (3ページ目)
――それは、藤井選手の得意なトスに合わせたということでしょうか。
藤井 僕もあまり得意じゃなかったんですが、東レのミドル陣は強力なので「それを中心に攻撃を組み立てよう」とスタッフたちと話していて。全体練習の後に、李さんと何本も合わせていくうちに感覚を掴んでいきました。試合でもミドルを積極的に使うようになって、今では自分の武器になっています。
李 お互いに納得がいくまで練習しましたね。篠田さんがボール出して、藤井がトスを上げて、自分が打つという繰り返し。ミドルの攻撃はセッター次第なので、とことん付き合ってもらいました。
――年齢は藤井選手のほうが下ですが、指示はかなり強気に出すとも聞きます。
李 なぜか「助走に入らないと藤井が怒る」という話が広まっているんですけど、誤解なんです。練習の時に、僕がBパス(セッターが数歩動かされるサーブレシーブ)、Cパス(セッターが大きく動かされるサーブレシーブ)で助走をサボっていたことがあって。藤井が上げたトスを打てなかったときに、周りの選手から「しっかり入れよ!」と注意されただけなんです。
藤井 そうなんです(笑)。僕は別に怒っていないんですよ。
李 ともあれ、それで意識が変わりました。藤井はどこからでもトスを上げてくれますし、今はどんなボールでも全部打ちにいく気持ちでやっています。
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