打つ手がズバリ、中垣内監督は名将か。
グラチャンバレーの決意を聞く (2ページ目)
また、ワールドリーグでは、ケガの影響もあってチームに合流できなかった清水邦広に代わり、オポジット(セッター対角で、攻撃専門のポジション)に中央大4年の大竹壱青を抜擢。昨夏までミドルブロッカーとして出場していた大竹だが、202cmの高さと、相手のブロックをはじき飛ばす圧倒的なパワーを披露し、文字通りの"大型新人"誕生を予感させた。
しかし、その大竹が世界選手権の予選で不調に陥ると、今度はミドルブロッカーの出耒田敬(できた たかし)を急遽コンバートし、メインのオポジットとしてコートに送る。大舞台での突然の起用となったにもかかわらず、中垣内監督が「まだまだ練習は必要ですが、期待通りにやれている」と話す通り、出耒田は予選突破に大きく貢献した。
中垣内監督は、出耒田が学生時代にオポジットを務めていたことを知っていたため、このコンバートは5月の時点から考えていたという。ミドルブロッカーが手薄になってしまうため思いとどまっていたが、高橋健太郎が全日本に復帰したことでその構想が現実のものとなった。
グラチャンバレーを戦うメンバーには、大竹、出耒田、高橋に加え、山内晶大、小野寺太志と、2mを超える選手が5人いる。大竹の起用や出耒田のコンバートはその高さを最大限に活かすための策だが、一方で試行錯誤が続くチームを支えているのは、やはり柳田将洋と石川祐希のダブルエースだろう。
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