打つ手がズバリ、中垣内監督は名将か。グラチャンバレーの決意を聞く

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari

 9月12日にグランドチャンピオンズカップ(グラチャンバレー)の初戦を迎えるバレーボール全日本男子は、5月の新体制発足から順調に試合を重ねてきている。

 中垣内祐一監督が途中合流したワールドリーグはグループ2で準優勝。続く7月の世界選手権アジア最終予選で、グループBを全勝して本戦への出場権を獲得すると、直後のアジア選手権では2大会連続9回目の優勝を果たしている。そこで、好調を維持したままグラチャンバレーに臨む中垣内監督に話を聞いてみた。

全日本を支える、柳田将洋(左)と石川祐希(右)のダブルエース photo by Urakawa Ikken全日本を支える、柳田将洋(左)と石川祐希(右)のダブルエース photo by Urakawa Ikken ここまでの結果については「もちろん、いい成績を残せたのは喜ばしいことですが、対戦相手がそれほど強い国ではありませんでしたからね。もっと強い相手とやった時には、思うようにはいかないこともあるでしょう」と、冷静に振り返る。

 中垣内監督は、世界の強豪国に勝つことができるチームを作るため、さまざまなことを試みてきた。まず、主将の深津英臣ではなく、全日本に初選出された藤井直伸をセッターに起用。藤井は同じ東レアローズに所属するミドルブロッカーの李博と、息の合ったコンビネーションを見せるなど活躍した。ただ、中垣内監督は「ミドルの攻撃を使うところは、とてもいい」と評価する一方で、「サイドへのトスが不安定ですかね。セッターを固定したわけではありませんし、深津と切磋琢磨してほしい」と注文もつけている。

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