あの長身バレー選手の息子、202cmの大竹壱青がビッグなデビュー (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 浦川一憲●写真 photo by Urakawa Ikken

 大竹は、バルセロナ五輪代表で"日本の壁"と呼ばれた208cmのミドルブロッカー、大竹秀之氏の息子だ。姉は全日本としてワールドカップにも出場したミドル・大竹里歩。完全な「ミドルブロッカー家系」だったが、石川の提案を受けてチームの点取り屋のポジションに転向し、才能を開花させた。

 国内の大会であれば、ほとんどの試合に応援に駆けつけるという秀之氏は、大竹が全日本で国内デビューを飾った高崎大会にも姿を見せていた。大竹への勝利者インタビューでは、そんな父について毎回のように質問が飛んだが、嫌な顔ひとつせず、時に笑いを交えながら答える姿には"大物感"があった。

 秀之氏は、最終的に有明アリーナでの開催が決まった東京五輪の会場問題でも、「娘や息子がいい環境でオリンピックでプレーできるよう、お願いします」とオリンピアン関係者などに頭を下げて訴えていた。「ふたりが東京五輪を戦う全日本のメンバーに選ばれる」という父の夢は、今回の息子の活躍で着実に実現に近づいたといえる。

 今回のワールドリーグ予選ラウンド・スロバキア大会で、第2戦のポルトガル戦の途中から出場した大竹はチーム最多得点を挙げている。得点源のひとつになっているのは、高さを活かした守り(ブロック)だ。202cmの大竹と、NEXT4のひとりで204cmの山内晶大が並ぶと、日本人離れした高さの壁になる。ブロック得点以外にも、相手が嫌がってミスをしたり、相手のスパイクをワンタッチすることで反撃につなげることができた。

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