あの長身バレー選手の息子、202cmの大竹壱青がビッグなデビュー (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 浦川一憲●写真 photo by Urakawa Ikken

 そして、スパイクもかなりパワフル。高崎大会では、韓国戦で打ったスパイクが相手のブロックをはじき飛ばし、約19メートルある天井に当たるなど、パワーを随所で発揮した。大竹と同じオポジットだった中垣内監督も、このパワーに惚れ込んでいる。

「まさに"ハンマースパイク"ですよね。非常にパワーがある。選手は、ある時期にぐっと伸びることがありますが、今の大竹はそのゾーンに入っていると思う。将来的には、クレイトン・スタンリーのような選手になってほしい」

 スタンリーは、昨年に引退を発表したアメリカの名オポジット。圧倒的なパワーで北京五輪のMVPを獲得した金メダリストを引き合いに出すあたりに、期待の大きさが伺える。

 だが、大竹には課題もたくさんある。勝負どころとなるセットポイントやマッチポイントになると、急激に決定率が落ちるのだ。実際に、今大会のポルトガル戦やスロベニア戦では、大竹の被ブロックやミスで落としたセットがあった。U-23の大会などアンダーカテゴリーの試合から休みがなかったことで、疲労が溜まっていたこともあるだろうが、ファイナル4では15打数6得点と精彩を欠いた。 

 中垣内監督も「勝負どころで決めきれないというのは、(大竹がこれまでプレーしてきた)アンダーカテゴリーのスタッフからも話は聞いている。そこは経験を積んで変わっていってもらうしかない」とし、こう続けた。

「得点できているのも、決めるべくして決めたわけではないケースが多い。たまたま相手のブロックが悪かったから決まったというのは、上位国には通用しない。それは今のうちに修正しなきゃいけませんね」

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