あの長身バレー選手の息子、202cmの大竹壱青がビッグなデビュー (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 浦川一憲●写真 photo by Urakawa Ikken

 また、大会が始まる頃は腰の状態が万全でなく、フル出場できなかった石川祐希も、大会が進むにつれて調子を取り戻していった。特に、ファイナル4の準決勝では、審判がオーストラリア寄りのジャッジをする中、ホームタウンディシジョンの余地がないスパイクで試合を締めくくったのが印象的だった。初選抜の司令塔・藤井直伸のトスに、途中まで合わせることができず苦しんでいたが、最後は高めのトスに修正してもらうことで対応。今後の練習でさらに息を合わせ、来月の世界選手権アジア最終予選では楽に得点を決めるシーンを増やしてもらいたい。

 そして何より、大会を通しての一番の収穫は、長らく清水邦広が務めてきた全日本のオポジット(セッター対角で、攻撃専門のポジション)に、新星が現れたことだろう。身長202cm、91kgと、文字通りの"大型新人"である中央大学4年の大竹壱青(いっせい)だ。

 中大では主にミドルブロッカーとして出場していたが、昨夏、同期である石川からポジションのコンバートを提案されたことで、大竹のバレー人生が変わった。

「2メートルあっても動けて、高校時代はサイドをやったこともあるし、オポジットのほうが将来的に輝けると思って提案しました。本人もやりたかったみたいで、自分が提案した次の日には監督に掛け合っていました(笑)。転向したばかりだから、まだまだ伸びしろがいっぱいあると思うし、一緒に成長していけたらいいなと思います」(石川)

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