若きエース石川祐希、柳田将洋、東京五輪に向けて「海外へ出でよ」
いわば青春の蹉跌(さてつ)か。リオデジャネイロ五輪出場を逃した屈辱と悔恨を、どう4年後の東京五輪の歓喜に結び付けるのか。若手エースの柳田将洋はこう漏らした。
「この大会の結果は、ぼくのバレーボール人生では一番、悔しい出来事でした。この気持ちを忘れないで、これからの代表の試合に勝てるよう、しっかり自分なりに考えながら、行動できたらいいなと思います」
柳田将洋はケガをおしてフランス戦に出場。ストレート勝ちに貢献した
リオ五輪の出場権をかけたバレーボール男子の世界最終予選兼アジア予選の最終日だった。5日の東京体育館。1日のイラン戦で右ひざを痛めた柳田は試合前、けがの状態を聞かれた南部正司監督に「大丈夫です」と強い口調で言い、出場を志願した。
3試合ぶりにスタメン出場した柳田がコートで躍動する。確かにすでに五輪出場を決めていたフランスは主力を外してきたが、日本チームは最後にようやく日本らしいバレーをした。リズムがあった。いきなり、23歳はレフトから2枚ブロックを打ち抜いた。
持ち前のジャンプサーブにも力が戻った。第1セットの終盤、柳田はスパイクでポイントを重ね、このセットを先取した。第2セット、強打を拾われると、フェイントでポイントを重ねた。第3セット、スパイクの着地のときに右ひざの衝撃を和らげるため、わざと滑ってかばいだした。
でも、南部監督はメンバーチェンジをしなかった。こう説明する。
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