【男子バレー】全日本・石川祐希がイタリアで日々、成長中 (3ページ目)

  • 中西美雁●文・写真 text & photo by Nakanishi Mikari

――実際セリエに来て、目の当たりにしたプレイの感想を聞かせてください。

石川  モデナの選手は各国の代表選手が多いので、やはりすごいなと思いました。その中でもヌガペットは自分といっしょで背もあまり大きくないし、参考になる部分が大きいですね。

 ヌガペットは、アタックを打つと見せかけてサイドにトスを上げたり、セッターがディグ(スパイクレシーブ)を上げた時は、そのディグされたボールをそのまま2本目でスパイクしてしまうなど、びっくりするようなプレイを見せる選手だ。

――ヌガペットって、プレイがすごく型やぶりですよね?

石川  そうですね、自由で型もないので、見ていて「ああ、いいな」と思う。日本だとあれがダメと言われるんですけど、こちらに来て、そういう型のないバレーもありなのかなと思いましたね。自分自身も今は(そういう型にはまらないプレイを)練習などではやったりしています。自由にやりたいという思いが強いので、それもいいかなと。そういう(自由な)バレーも、点の取り方もあるんだと視野が広がりましたね。選択肢が増える分には問題ないですから。

――モデナでの最初の試合出場はリリーフレシーバーでした。

石川  そうです。負けてるときに入って、ボールを3回ほど触ったかな。

――初めて公式戦に出たときはどんな気持ちでした?

石川  正直、そのセットは点数が離れて負けていて、かなりきついかなというところで呼ばれたんです。それでも初めて公式戦に出られたので、楽しんでやろうと。言葉は通じないですが、試合に出たらコミュニケーションをとるしかないので、何でもいいから他の選手とコミュニケーションとってやっていこうと思ってやっていました。

――次の出場はピンチサーバーで、1本目は崩してブレイク(サーブ権があるときに得点すること)につなげました。

石川  あと少しでエースくらいのサーブだったんですけど。2本目がネットだったので、そっちのほうがやっぱり反省点です。ミスという結果では終わりたくなかったので、そこはちょっと悔しいです。

――サーブは石川選手の売りのひとつだと思いますが。

石川  こっちへ来て、結構具体的に教えてもらうことが増えました。日本ではサーブやスパイクについては、あまりアドバイスをもらう事がなかったんですけど。モデナではアンジェロ(監督)が「こういう風にしたらいいよ」みたいに言ってくれて、それを参考にしながらやったら、意外と自分の中でも良くなったかなという感触があります。具体的なアドバイスをもらい、それが効果的だったので、(イタリア留学は)かなり手応えを感じています。

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