「錦織圭は体が強いほうではない」は本当か? 元専属トレーナーは「世界で4番目に強い選手だった」と断言 (3ページ目)
【テニスはごまかしの効かない世界】
類(たぐい)まれなる手の感覚に加え、少年のような好奇心と向上心。中尾氏は錦織とともにツアーを回った6年の間で、その才覚に驚かされてきたという。
それらを踏まえたうえで、あらためて問う。錦織圭は、本当に体が強いほうではなかったのか?
「トレーナーの目から見ると、『ビッグ4』(ロジャー・フェデラー/ラファエル・ナダル/ノバク・ジョコビッチ/アンディ・マリー)とかが異常なだけ。圭以外の選手たちも、多かれ少なかれケガはあったと思います。
体の頑丈さは、骨格やアライメントも含め、生まれ持ったものも多分にある。そこはある程度は仕方ないところもありますし、ビッグ4に割って入れなかったのは、トレーナーとして十分な仕事ができなかったという反省もあります」
テニスのツアーシステムは、試合数をこなさなければランキングも上がらない。トーナメント形式である以上、連戦に耐える体の強さがなければ、上位に進むことができないのも明白だ。ランキング算出のフォーミュラ(式)は明瞭なため、ごまかしの効かない世界でもある。
そのなかで錦織圭は、長年にわたり世界のトップ10に居続けた。2015年には、世界の4位まで至っている。
「それはつまり──」と、中尾氏は言葉を継いだ。
「錦織圭は、世界で4番目に体の強い選手だった、と言えるということです」
(つづく)
◆富田玄輝の視点(1)>>
【profile】
中尾公一(なかお・こういち)
湘南工科大学を卒業後、フリーのシステムエンジニアを経てスポーツの世界へ転身。鍼灸マッサージ師の資格を取得し、バスケットボールや卓球の実業団チームでトレーナーを歴任する。2005年からテニス男子ナショナルチームのトレーナーを務め、ロンドン五輪にも帯同。2013年より6年間にわたって錦織圭の専属トレーナーとして全米オープン準優勝やリオ五輪銅メダル獲得の快挙を陰で支え続けた。現在はテニスのジュニア育成や大宮のコンディショニングスタジオで一般の方の健康を支えている。株式会社ABM代表。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
【写真】日本女子テニス「6人のティーンエイジャー」フォトギャラリー
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