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錦織圭に「まじ強い」と言われてちょっと興奮した伊藤竜馬 「嫉妬とか一切なく」純粋に尊敬していた (3ページ目)

  • 内田 暁●取材・文 text by Akatsuki Uchida

【勝負どころの強さはさすが】

 錦織の才能を認め、その活躍を喜びつつ、自身のモチベーションとしてきた20代の頃。そのように錦織を近く見てきた伊藤さんにとって、忘れがたいふたつの大会・試合がある。

 ひとつは、2010年に実現した公式戦での対戦だ。意外なことに、これが両者にとって唯一の対戦でもある。

「タラハシー(フロリダ州)のATPチャレンジャー大会でした。あの時の圭は、前年のひじの手術から復帰したばかりで、ランキングも落ちていた時期でした。でも、やっぱり圭は圭なので、僕は気持ち的にもチャレンジャー。結果は気にせず、自分の持てる力をすべてぶつけるみたいな感じで向かっていったと思います」

 その結果、第1セットは伊藤さんが6-4で取る。だが、第2セットと第3セットは巻き返され、結果は4-6、6-4、6-3で錦織の勝利。

「最後は、意地で取られた感じでした。圭はまだ本調子ではなかったと思うんですが、勝負どころの強さはさすがでした」

 ネットを挟み対峙したことで、錦織の強さの精髄をあらためて実感した時でもあった。

 そしてもうひとつ、忘れがたいのは2014年。錦織が全米オープンで決勝に進出した、あの夏の興奮だ。

 その全米オープンで、伊藤さんは予選を突破し、本戦の切符を自力で獲得。本戦1回戦で世界51位のスティーブ・ジョンソン(アメリカ)に勝利し、2回戦では21位のフェリシアーノ・ロペス(スペイン)に敗れるも善戦した。

 勝利も敗戦も含め、伊藤さんにとっても思い出深い大会。その思い出は、錦織の活躍によって一層克明に記憶に刻まれた。

「あの時の圭は、直前に足の裏にできた嚢胞(のうほう)を取る手術をしたので、もともと全米には出ないつもりだと言っていたんです。会場にもいたけれど、本人は『来ただけ』みたいなことを言っていた。それが出るだけでなく勝ち上がっていたので、『おいおい、強いやん』と思って見ていたんです。

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