葛西紀明が『なんだこれ? 難しいな』とテニスにハマる理由 51歳で現役続行について「キングカズさんが道を作ってくれている」 (5ページ目)
スター選手が数人しかいない、ということもあると思います。女子なら(高梨)沙羅ちゃん、男子なら小林陵侑がいますが、そういうスターがもっと増えていけば、盛り上がってくるとは思っています。
スキー連盟やいろんな方たちが盛り上げようと苦労しているんですけど、やっぱり一番、頑張るべきは選手だと思うんですね。そのためにも、僕がこの歳でもっともっと活躍できたらな、とは思っています」
── 最後に。ジャンプの魅力とは、やる競技、そして見る競技として、それぞれどういうところでしょう?
「一番は、一般の方にはできない競技だという点であり、ジャンプ選手はその点を誇りに思ってやっています。一歩間違えば間違いなく大ケガする競技ですし、そのなかで恐怖を克服し、豪快に綺麗に飛んでいく姿を目の前で見てもらえると、本当にテレビとはまったく違うんですよね。
生で見に来てくれた方から必ず出てくる言葉が『テレビと全然違う。すごい!』なんです。ですから僕も、そのすごさをもっと極めていき、その姿を多くの方たちに見に来てもらいたいと思っています」
<了>
【profile】
葛西紀明(かさい・のりあき)
1972年6月6日生まれ、北海道上川郡下川町出身。16歳時の1988年より日本代表として世界各国を遠征し、1992年のアルベールビル五輪を皮切りに史上最多8度の冬季五輪に出場。2014年ソチ五輪での個人ラージヒル銀、団体ラージヒル銅はスキージャンプ競技史上最年長メダリスト記録。現在は選手兼監督として土屋ホームに所属。身長176cm、体重59kg。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
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