錦織圭も「ちょっと読めない」望月慎太郎 自らの哲学を貫いてつかんだ覚醒のカギ (4ページ目)
【ジャパンオープンの5日間で掴んだ覚醒のカギ】
試合中、コートサイドから「一緒に戦っている」姿勢を示す伊藤の言葉は、望月の迷いを掃う。セカンドサーブで試みるサーブ&ボレーも、相手をストロークで押し込み沈めるドロップショットも、ゆるがぬ決意の成果。そして対価として得るのは、確固たる自信だ。
濃密な5日間で4試合を駆け抜けた望月は、覚醒のカギについて次のように言った。
「本当に今週に関しては、気持ちの面がすごく大きい。ここ最近、少し自信を失いかけていた試合があったので、まずは自分を認めるというか。自信を持って試合できた時が一番、自分をコート上で表現できるのだなと思いました」
今回の活躍で「望月慎太郎」の名は広く知られ、今後は彼に向けられる周囲の目も変わるだろう。この先にもまだ、試練の時は訪れるかもしれない。
それでも今回、東京で打ち立てた実績と得た戦果は、迷いそうになった時、望月の進む道を指すはずだ。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
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