加藤未唯の「お客さんも自然と喜んでくれる」テニスの魅力 もうすぐ開幕の全米OPに期待「今年はWTAファイナルズ出場を狙っている」 (4ページ目)
この記事に関連する写真を見る 苦手意識を抱くウインブルドンから、彼女が持ち返ったもの──。それは「ベスト16」という結果のみならず、試合を楽しむ心と、勝利とともに胸の内を満たす喜び。そして、新たな技習得への意欲と手応えでもあるという。
「芝での試合の時に、もっとできたらよかったなと思っていたプレーがあるんです。それはハードコートでも通用することなので、今、ある技を磨いているところです。
今年はWTAファイナルズ(※)出場を狙っているので、ここで止まっているわけにいかない。もっと上を目指しているし、その目標に向かって集中して取り組めています。
※=年間最終ランキングでシングルス上位8名、ダブルス上位8組が出場できるツアー最終戦。加藤/スチアディ組は現在11位につけている。
今回は磨いている技もあるし、ウインブルドンでもあそこまで行けたということは、ハードコートではもっと行けるんじゃないか? そういう自分への期待があるので、ここからが楽しみです」
明確な目的地と新たな技の獲得は、彼女の熱源である『テニスを楽しむ』気持ちを一層増幅させる。
8月28日に開幕する全米オープンでは、見る者を魅了する加藤未唯らしいテニスが、ハードコートいっぱいに描かれるはずだ。
<了>
【profile】
加藤未唯(かとう・みゆ)
1994年11月21日生まれ、京都府京都市出身。8歳からテニスを始め、2013年10月にプロ入り。2017年の全豪オープン女子ダブルスでは穂積絵莉とのペアでベスト4進出。2018年の東レPPOでは二宮真琴とのペアでツアー初優勝を果たし、2023年6月の全仏オープン混合ダブルスではティム・プッツ(ドイツ)とのペアでツアー2勝目。身長156cm。利き手=右、バックハンド=両手打ち。キャリア自己最高ランキングはシングルス122位、ダブルス30位。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
【写真】テニスプレーヤー加藤未唯「私服撮り下ろし&全仏オープン」フォトギャラリー
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