2021.02.17

大坂なおみが手にした「もうひとつの武器」。データが示す明らかな向上

  • 神 仁司●文 text by Ko Hitoshi
  • photo by AAP/AFLO

 大坂なおみがオーストラリアンオープン(全豪オープン)準々決勝で見せた66分間のプレーは、彼女の成長を世界中に伝えるには十分すぎるほど圧巻だった――。

 無観客の中で、第3シードの大坂なおみ(WTAランキング3位、2月8日づけ/以下同)は、シェイ・スーウェイ(71位、台湾)を6-2、6-2で破って2年ぶり2度目のベスト4進出を決めた。グランドスラムでは4回目のベスト4となり、日本人選手では1968年のオープン化(プロ解禁)以降、伊達公子と錦織圭の3回を抜いて最多となった。

作り上げてきた自分のテニスで順調に勝ち進んでいる大坂なおみ 大坂とシェイの対戦成績は大坂の4勝1敗だが、フルセットになるタフな試合が多い。例えば、2019年の全豪オープン3回戦で戦った時は、第1セットを5-7で落とした大坂がラケットを投げて警告を受け、第2セットも1−4と追い詰められた。だが、そこから持ち直した大坂は5ゲームを連取すると一気に逆転勝ちを収めた。

 当時、大坂のツアーコーチだったアレクサンダー・バインコーチは、「大坂の精神的な成長が見られた」と誇らしげに語っていた。

 また、同年3月のマイアミオープン3回戦で対戦した時は、バインコーチと離れて1カ月半ほど経ったころで、大坂のメンタルが不安定な時期だった。第1セットを6-4で先取した大坂だったが、その後はミスを多発。半ば自滅のような負けを喫した。

 2019年は、シェイが大坂を大いに苦しめたが、今回はランキングどおりの実力差を大坂が見せつける形になり、サービスエース7本を含む24本のウィナーを打ち込んだ。